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2012年 01月 20日
2011年最後に観たのは、かなり好きなデンマーク人俳優Ulrich Thomsenがピアニスト役の『Allegro』。相手役はHelena Christensen。モデルだと思っていたら、女優活動もしてたんですね。 ゾーンが登場したので、監督はタルコフスキーの『ストーカー』を意識しているのだろうかと思った。 この映画の凄いところは、使われているのがバッハに次ぐバッハということ。ピアノ協奏曲、ゴルトベルク変奏曲、平均律やらで興奮しまくった。 Ulrich Thomsenはやっぱり好き。いろいろ観た出演作で一番好きなのは、Per Fly監督の『Arven』。急死した父親の企業を引き継いで苦悩しつつも冷徹にリストラを決行する姿にうっとりした。 2012年。 正月にテレビをつけたら、見覚えあるけど名前の出てこない俳優が登場する映画を放送中。中年太りする前のRussell Croweだった。途中からだしあまり面白そうにも見えないので消そうか・・・と思っていたら、小川さんがお出まし! トッカータとフーガBWV565がドカーンと鳴り響いた。それだけで満足したので、すぐにテレビを消してしまった。。。ちなみに映画のタイトルは『Virtuosity』。好きなDenzel Washingtonも出ていたので、いつか機会があれば観ても良いかも。 先週末は2ヵ月ぶりに自宅で過ごしたのでDVDを鑑賞。公開当時見逃した『Factory Girl』を観た。60年代にアンディ・ウォーホルと交流のあった実在の女性Edie Sedgwick(Sienna Millerの演技が良かった!)の短い人生を描いた作品。観る前は工場勤務の女性の話だと勘違いしていた。。。 この映画でも小川さんが登場(BWV 1007 + BWV 928 プレリュード)!ホント、人気者です。 最後まで誰か思い出せずにいたウォホール役の人はGuy Pearceだった。彼を初めて観たのがChristopher Nolanの『Memento』なので、いつまでたってもGuy Pearceと『Memento』は私にとってセット。ああ『Memento』が観たくなってきた。。。 そして久々の日本映画。日本からのおみやげで読んだ『告白』が面白かったので、映画を観たくなり日本からDVDを送ってもらった。 映像がきれい過ぎて、テレビCMとかミュージックビデオみたいだなあ・・・なんて思っていたら、聴こえてきたのがラルゴBWV 1056。 映画はみなさん熱演していて、構成がうまい。様々な表情を持った雲の美しさに素直に感動した。 というわけで、今年も小川さんヒット率が高そうな気配です。 2011年 12月 08日
今年最も楽しみにしていたコンサートが無事終了。歌ったのは、我が教会の新築を記念してテレマンが作ったオラトリオ。YouTube。 我が教会では1747年10月26日に行われた記念礼拝で演奏されて以来の再演!市販されているCDはわずか1枚で、テレマンの故郷マクデブルクでの2004年の演奏。この時に楽譜を作成した教授が協力してくれたおかげで、我々も晴れて再演することができたので大感謝。何しろ市販の楽譜などない曲なので。 これを逃したら今後聴く機会は絶対にないと宣伝しまくったおかげで、ドイツ国外から3人、南ドイツから2人を初めとして、多くの友人に来てもらえてうれしかった。 残念なことに当時のバロック教会は1943年に爆撃されてしまい、建て替えられたのは殺風景な教会。演奏開始前に指揮者が簡単にこの曲の成り立ちを説明して、1747年にタイムトリップして新築のバロック教会に座っているつもりで聴いてみてくださいと観客に伝えた効果は十分だったと思う。プログラムには見るだけでため息が出るくらい美しい教会の写真がいくつか入っていたのも良かった。できることなら私も客席で聴いてみたかった。。。 曲は出だしが特に感動的。指揮者が演奏開始前にかすかに聞こえるティンパニに続いて合唱が入るというフレーズが3回続いて、ソロの4人が加わり、トランペットが華やかに響き渡る。これ以上の幸せはないというくらいの高揚感。 第1部は最後の曲だけがコラールだけど、第2部は5曲もコラール。旋律は簡単なので決して難しくはないんだけど、私にとっての難題が歌詞を覚えること。Gott、Vater、Heiliger Geistなど似たような言葉が何度も登場して、ときには順番が違ったりするので覚えるのに苦労した。1曲はどうも相性の悪い歌詞だったようで、最後の最後まで苦労して、当日家を出る直前までその曲ばっかり繰り返して練習。付き合ってくれた人には本当に感謝している。 そのおかげで、なんとか暗譜で歌い切れて大満足。しかも思いがけずアンコールがあった!なんと最初の曲。遠くからはるばる来てくれた分身はアンコールのほうがずっと良かったと言ってたけど、やっぱりそうだと思う。最初はかなり緊張していたけど、アンコールではみんな解放感にひたって余裕を持って歌えたから。 教会のコンサートで演奏される曲といえば、バッハの受難曲やブラームスやモーツァルトのレクイエムなど定番がいくつもあるけど、このテレマンのオラトリオはソロ歌手にとってもオーケストラにとっても初めての曲だったせいか、ソロのアルトとバスはアリアで1小節くらいオーケストラとずれていた部分があってハラハラした。オーケストラがずれに気づいて調整したようで、途中で一致したから良かったが。。。 我が教会のために作られた曲を歌うなんて機会は、もう二度とないのは間違いなく、練習中もずっと興奮していたせいか、コンサート終了後しばらくしてひとりになった時に、この曲ともとうとうお別れなんだな・・・という寂しさに身を包まれて、緊張の糸がぷつりと切れたような感じで泣いてしまった。 きっとテレマンは雲の上から君たちのコンサートを見守って喜んでいただろうね・・・と言ってくれた人が身近にいて驚いた。私がまさに思っていたことだったので。 去年のコンサートと同じく11月最後の土曜日だったけど、気温はたぶん今年のほうが7、8度は高かったはず。それでも教会は底冷えするので下半身だけにホカロンを貼りまくってみた。帰宅してはがしてみたら合計18枚。去年はたしか全身に20枚貼ったので、下半身のホカロン密度は去年の倍くらいか?来年はどうしよう?気が早いとは思うけど、演奏に集中するために寒さ対策は極めて大切なのだ、私にとっては。 Georg Phillip Telemann (1681 - 1767) Heilig, heilig, heilig ist Gott TVWV 2:6 Oratorium zur Einweihung der Heiligen Dreieinigkeitskirche 1747 2011年 11月 17日
今日は仕事の後、久しぶりに友人に会った。生まれて初めて入院・手術した時に親身になって助けてくれた人。
私は鈍感なので手術に対しても入院に対しても恐れの気持ちはまったくなかったんだけど、お腹を切られた後のあの痛みはかなり強烈だった。麻酔が切れてうんうんのたうち回ってた時に、同室の姉御肌の患者が「あんな苦しんでる子をなんで放っておくのよ」と看護婦さんを呼んでくれたのはありがたかった。 大部屋だったので、年齢層さまざまな、ほぼ同じ手術を受けた、あるいは受ける予定の人たちと一緒に過ごして、連帯感のようなものが生まれて気が紛れた。個室のほうが落ち着けるという人もいるんだろうけど、私は大部屋で良かった。私の唯一の特技といえば、どこでも眠れることなので、傷口が痛くても毎日本当に良く寝た。 隣りのベッドは私より2日遅れて同じ手術を受けたガーナ出身の人。彼女が苦しんでいる時に看護婦さんの真似をして手助けをしたのも良い思い出。またハードな仕事であるにもかかわらず、看護婦さんたちが朝から晩まで誰にも本当に親切に接していた姿には感動した。今も感謝しています。 5泊して退院した後、4週間も自宅療養する身となり、医者からはどんどん動けと言われていたので、毎日必ず外出して歩くように心がけたものの、一歩一歩踏みしめながら亀のような速度でしか歩けなかったのはショックだった。バスに乗ったときはものすごい振動で、身体がバラバラにちぎれるんじゃないかというくらいつらかった。 健康体のときはバスの振動すら気づいていなかったが、しみじみ観察すると、道路というものはつぎはぎだらけで、かなりでこぼこ。退院以降は、道路工事現場を見かけるたびに、どうか平らにしてくださいと祈ってしまう。 そんなわけで、また普通に大股で歩けるようになって以来、歩くたびに「私は幸せ者だなあ」と感動の思いで胸がいっぱいになる。 退院から2週間後に映画館に行ったのは、当時の私にとっては大冒険だった。2時間近く座っていられるのかまったく自信がなかったので。 観たのはSusanne Bier スサネ・ビアの新作。英語タイトルは『In a Better World』。ドイツ語はまったく同じ意味の『In einer besseren Welt』。 デンマーク語のオリジナルタイトルはHævnenで、意味は復讐。 この違いはいったいなぜなのか、今でも不思議に思っている。『復讐』じゃイメージが暗くて集客力が落ちるから? アフリカで医者をやっている人を演じたMikael Persbrandtはスウェーデン人俳優。映画ではスウェーデン語を話していたらしい。隣りの席の人がそう言っていた。好きなデンマーク人俳優のKim Bodniaが出ていたので一瞬うれしくなったけど、ものすごく性格の悪い人を演じさせられていたのでがっかりだった。 彼女の映画を観るたびにSusanne Bierはすごく真面目な人なのだろうと思う。観てから既に8ヵ月も経過したが、あのアフリカの風景の美しさが今でも目に浮かぶ。不安や怒りなどの気持ちを抱えた子供たちの演技も素晴しかった。
2011年 11月 12日
このポスターがずっと気になっていて観たのが『Smukke Mennesker』。(デンマーク語で『美しい人々』という意味だそう)明るいポップな映画を想像していたら、めちゃくちゃブラックだった。とことんブラック! 定年退職後に夫が急死した女性、教師をしている独身の娘は乳ガンで乳房切除。ふたりが別々に出会う男性ふたりも親子。父親はちょっと書けないくらい異常な性癖をもっている。息子は身体を売っている。この尋常ではない4人が主な登場人物。Nicolas Broもちょっとばかり登場。 退職した日に自分で花束を買って帰宅する女性の姿がつらかった・・・。この女性がビンゴに行くシーンがあって、偶然にも前の日にデンマークではバンゴと発音するんだよね・・なんて話を聞いたばかりだったので偶然に驚いた。 クリスマスには、ツリーのまわりを歌いながら手をつないでぐるぐる回るシーンがあって、私も昨年初めて体験したので懐かしくなった。あれは本当に可愛らしい習慣だと思う。 バーのシーンでは、J.S.バッハの平均律の有名なプレリュードが使われていた!! あと警笛もところどころで聞こえてきた。ロケ地はいったいどこだったのだろう? 幸い英語字幕付きだったので、なんとか理解できたけど、デンマーク語はさっぱり。勉強しようと思ってはいるけど、ドイツ語より複雑そうでどうもやる気が起きないのだ。 デンマークといえば、先月ようやくフォン・トリアーの『Melancholia』を観た。前作の『Antichrist』はいやーな気分になりそうな予感がしたので観なかったけど、今回のはぜんぜん不愉快な気分にならなかった。 全編に流れる『トリスタンとイゾルデ』の前奏曲が強烈。この世で最も官能的な音楽。 好きなJohn Hurtが出ていた!あとエンドロールでJesper Christensenの名を発見したけど、いったいどこで登場したのかナゾ。 2011年 09月 27日
今年の夏休みは1週間ボーンホルム島で過ごした。去年初めて訪れとても気に入ったので、出来る限り毎年行きたいと思っている。
到着した日は曇りで、それまで何日も雨続きだったそうだが、到着翌日からは真夏。 去年に引き続きボーンホルム美術館へ行き、また去年行きそびれたOluf Høst Museetに行けたのが私にとってのハイライト。 ボーンホルム生まれの画家Oluf Høstの存在はまったく知らなかったが、去年偶然彼の回顧展を見て以来、ボーンホルムにある彼の美術館に行くのが夢だった。彼が亡くなるまで住んでた家が美術館となっていて、彼のアトリエも中は空だが残っていた。天井が高くてあんな広いアトリエで制作できた彼は本当に幸せ者だなあと思った。 彼は火事に惹き付けられていたらしく、燃えている家を描いた作品がいくつもある。火事が起こると地元の消防署だか警察署から彼に連絡が入るようになっていたそうだ。 滞在中はずっと好天で海水浴もできたくらいだが、最後の日になって雨が降り出したので、宿の近くのGudhjem Museumで雨宿りを兼ねて過ごした。ここでもOluf Høstを含む地元の画家たちの作品をいくつも観られた。 この美術館は元鉄道駅。ボーンホルム島のかつての鉄道は廃線となっているので、次回行ったら残っている駅舎を見て回ろうと決めている。 去年は飛行機で行ったので、今年は気分を変えて南スウェーデンからフェリーで1時間ほどかけて行ってみた。行きはのどかに過ごしたのだが、帰りが生き地獄。海が荒れに荒れていたのだ。 船酔いしたなんていったい何十年振りだろう。吐く人続出で私も少し吐いた。フェリーの職員が袋を配って歩いていて、使用済みの袋の回収も行っていて、大変な仕事だなあと尊敬の念を抱いた。ものすごい音量で「オエー、オエー」をやってる人が近くにいて固まってしまった。。 来年はどんなに高かろうが絶対に飛行機で行くつもり。二度とフェリーでは行かない。 滞在中開催していたBornholms MusikfestivalでRoyal Danish Brassの演奏を聴いた。場所はØstermarie kirke。バッハのカンタータとオルガン曲をアレンジした演奏が特に良かった。 Wachet auf, ruft uns dieStimme BWV 140 Jesus bleibet meine Freude BWV 147 Contrapunctus IX BWV 1080 Die Kunst der Fuge
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