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2011年 11月 12日
このポスターがずっと気になっていて観たのが『Smukke Mennesker』。(デンマーク語で『美しい人々』という意味だそう)明るいポップな映画を想像していたら、めちゃくちゃブラックだった。とことんブラック! 定年退職後に夫が急死した女性、教師をしている独身の娘は乳ガンで乳房切除。ふたりが別々に出会う男性ふたりも親子。父親はちょっと書けないくらい異常な性癖をもっている。息子は身体を売っている。この尋常ではない4人が主な登場人物。Nicolas Broもちょっとばかり登場。 退職した日に自分で花束を買って帰宅する女性の姿がつらかった・・・。この女性がビンゴに行くシーンがあって、偶然にも前の日にデンマークではバンゴと発音するんだよね・・なんて話を聞いたばかりだったので偶然に驚いた。 クリスマスには、ツリーのまわりを歌いながら手をつないでぐるぐる回るシーンがあって、私も昨年初めて体験したので懐かしくなった。あれは本当に可愛らしい習慣だと思う。 バーのシーンでは、J.S.バッハの平均律の有名なプレリュードが使われていた!! あと警笛もところどころで聞こえてきた。ロケ地はいったいどこだったのだろう? 幸い英語字幕付きだったので、なんとか理解できたけど、デンマーク語はさっぱり。勉強しようと思ってはいるけど、ドイツ語より複雑そうでどうもやる気が起きないのだ。 デンマークといえば、先月ようやくフォン・トリアーの『Melancholia』を観た。前作の『Antichrist』はいやーな気分になりそうな予感がしたので観なかったけど、今回のはぜんぜん不愉快な気分にならなかった。 全編に流れる『トリスタンとイゾルデ』の前奏曲が強烈。この世で最も官能的な音楽。 好きなJohn Hurtが出ていた!あとエンドロールでJesper Christensenの名を発見したけど、いったいどこで登場したのかナゾ。 2011年 09月 27日
今年の夏休みは1週間ボーンホルム島で過ごした。去年初めて訪れとても気に入ったので、出来る限り毎年行きたいと思っている。
到着した日は曇りで、それまで何日も雨続きだったそうだが、到着翌日からは真夏。 去年に引き続きボーンホルム美術館へ行き、また去年行きそびれたOluf Høst Museetに行けたのが私にとってのハイライト。 ボーンホルム生まれの画家Oluf Høstの存在はまったく知らなかったが、去年偶然彼の回顧展を見て以来、ボーンホルムにある彼の美術館に行くのが夢だった。彼が亡くなるまで住んでた家が美術館となっていて、彼のアトリエも中は空だが残っていた。天井が高くてあんな広いアトリエで制作できた彼は本当に幸せ者だなあと思った。 彼は火事に惹き付けられていたらしく、燃えている家を描いた作品がいくつもある。火事が起こると地元の消防署だか警察署から彼に連絡が入るようになっていたそうだ。 滞在中はずっと好天で海水浴もできたくらいだが、最後の日になって雨が降り出したので、宿の近くのGudhjem Museumで雨宿りを兼ねて過ごした。ここでもOluf Høstを含む地元の画家たちの作品をいくつも観られた。 この美術館は元鉄道駅。ボーンホルム島のかつての鉄道は廃線となっているので、次回行ったら残っている駅舎を見て回ろうと決めている。 去年は飛行機で行ったので、今年は気分を変えて南スウェーデンからフェリーで1時間ほどかけて行ってみた。行きはのどかに過ごしたのだが、帰りが生き地獄。海が荒れに荒れていたのだ。 船酔いしたなんていったい何十年振りだろう。吐く人続出で私も少し吐いた。フェリーの職員が袋を配って歩いていて、使用済みの袋の回収も行っていて、大変な仕事だなあと尊敬の念を抱いた。ものすごい音量で「オエー、オエー」をやってる人が近くにいて固まってしまった。。 来年はどんなに高かろうが絶対に飛行機で行くつもり。二度とフェリーでは行かない。 滞在中開催していたBornholms MusikfestivalでRoyal Danish Brassの演奏を聴いた。場所はØstermarie kirke。バッハのカンタータとオルガン曲をアレンジした演奏が特に良かった。 Wachet auf, ruft uns dieStimme BWV 140 Jesus bleibet meine Freude BWV 147 Contrapunctus IX BWV 1080 Die Kunst der Fuge 2011年 09月 25日
今晩はKさんが歌っている聖歌隊のコンサートに行った。すべてアカペラの曲。
自分でも歌ったことがあってものすごく気に入っている3曲が聴けたので大満足。 メンデルスゾーンのWarum toben die Heiden、 ブラームスのSchaffe in mir, Gott, ein rein Herz、 最後はバッハのモテットで一番好きな Der Geist hilft unser Schwachheit auf BWV 226 あの教会のカントルの指揮は何度見ても笑ってしまう。全身痙攣しているタコが指揮しているかのようなので。。。今日もタコぶりを発揮して飛び跳ねていた。 先週はアンデルセンの生まれた街を拠点とするDet Fynske Kammerkorのコンサートに行った。場所はオールボーにある教会Gug Kirke。 教会に一歩足を踏み入れた途端にあまりの美しさに息が止まりそうだった。天井からぶら下がっている無数の照明の美しいこと!新しい建物かと思ったら、40年ほど前に建てられたとか。Inger og Johannes Exnerによる建築。コンサートでは最近ハマりつつある68歳のデンマーク系アメリカ人現代作曲家Morten Lauridsenの O magnum mysteriumが聴けたのでうれしかった。ものすごく気に入っている曲なので、自分の練習そっちのけで最近こればっかり聴いている。いつか歌ってみたい。。。 このコンサートは教会主催で入場無料。終わった後楽屋になっている教会の集会室にお邪魔したら、教会関係者が合唱団員のためにサンドイッチや飲み物を用意してくれていて、部外者の私も地元のビールを飲ませてもらった。 驚いたのは女性が堂々と着替えをしていたこと。男性団員もたくさんいるなか下着姿になっていた。恐らく私がお邪魔する前は男性も女性も入り乱れて着替えていたはず。皆さん羞恥心はないのだろう。デンマークはどうか知らないけど、ドイツだとサウナは男女全裸だし。。。 素敵な音楽を気軽に楽しめる教会の存在は本当にありがたいこと。立派なコンサートホールでの演奏も好きだけど、ああいう小さな教会でのほのぼのとした演奏が一番好きかなぁ・・・などと帰り道3時間半ほどバスにゆられながら考えた。 ![]() Lux aeterna 2011年 09月 16日
前から気になっていて、今日ようやくわかったこと。
Michael Haydnは、Joseph Haydnの弟だった! 名前を目にするたびに親戚なんだろうか・・・くらいにしか思っていなかったのだ。 というわけで、余裕で仕事を終わらせて聴いて来たThomas Hengelbrock指揮、地元オケの今晩の演奏は、Michael HaydnのMissa quadragesimalisで始まった。ソロ歌手が登場しない、合唱率100%の素晴しい曲だった。少しだけアカペラの部分があった。 2曲目はBrucknerのRequiem d-Moll。こちらはソロ歌手4人が加わって、オルガンも入る美しい曲だった。これも初めて聴いた。やっぱり一番印象に残るのがアカペラの部分。男性だけのアカペラが私にとっては意表をついて、思わず身を乗り出してしまった。難しそうだったけど、できることなら自分でもいつか歌ってみたいと思った。 休憩後はBrucknerの交響曲第6番。生で聴いたのは初めてだった。最後列に金管がずらりと並んでいて、その後ろに衝立てのようなものが立ててあった。あのホールでそんなことをするのは初めて。隣りの席の人が「あれはなんだ!!」と騒いでいた。指揮者の希望で立てたのだろうか・・・。 あと面白いなと思ったのはコントラバスが舞台の右と左に数人ずつ分散していたこと。ああいう並び方は初めて見た。 この曲は私にとってはブルックナーの交響曲のなかでは地味であんまり気にしたことなかったので、じっくり聴けて良かった。第2楽章が美しかった。 9月18日(日)日本時間午後6時から同じプログラムで演奏があり、ラジオで生中継するので、ここで聴けるはずです。 オープニングナイトは99%席が埋まっていて熱気ムンムンで苦しいくらいだったので、今日も混雑かと思ったら、空席が結構あったのが意外だった。 ========== Thomas Hengelbrock Dirigent Sonya Yoncheva Sopran Anna Stephany Mezzosopran Werner Güra Tenor Dimitry Ivashchenko Bass NDR Sinfonieorchester NDR Chor MICHAEL HAYDN Missa quadragesimalis ANTON BRUCKNER Requiem d-Moll ANTON BRUCKNER Sinfonie Nr. 6 A-Dur 2011年 09月 11日
2ヵ月ぶりに自宅で過ごす週末。Last Night of the Promsのテレビ生中継が始まるのを待っているところ。昼間はカウリスマキの新作『Le Havre』を観てきた。 映画館への道を急いでいたら、なんと向かいから歩いて来たのは、6月25日の私のコンサート以来会ってなかったUちゃん。時間があったら一緒にお茶でもしたいところだったけど、無理なので歩きながら5分ほどガーッとしゃべりまくった。 久しぶりのカウリスマキ作品なので、入場するのに長蛇の列だろうと恐れていたものの、観客は私以外たった2人。その後1人か2人加わったみたいだったけど、意外な少なさに軽くショックを受けた。 映画は当然のことながら素晴しかった。最初のシーンですっかりノックアウトで、呼吸困難状態。久々のカウリスマキ節に身悶えした。 これまで彼の作品を観て涙を流した記憶はないんだけど、今回はところどころで泣いた、泣いた。 悲劇ではないんだけど、彼の人間性というのかな・・・優しさが身に沁みたからだと思う。ヨーロッパが抱える難民問題を軸として、夫婦愛、市井の人々の隣人に対する優しさをぶっきらぼうとも言える手法で伝えてくれるカウリスマキが大好き。 見返りを求めない打算のない優しさをまったくの他人にも捧げることができる人が私の人間としての理想。そういう人になりたいと常々思ってはいるけど、なかなか道は遠い。 カウリスマキから今日私が学んだことは、難民問題はあまりに大き過ぎて簡単に解決することはできないんだけど、ひとりひとりが目の前にある出会いを大切にして、自分にできることを地道にやっていったら、いつか解決する日も来るんじゃないか・・・ということ。 いつも通り地味な赤や緑を使った色彩が素晴しかったし、ライカという名の犬が可愛かったし、なんと教会の場面では小川さんが登場した!!!BWV555。 去年観た同じくフランスを舞台にした『Welcome』も同様のテーマ。ガールフレンドのいるイギリスまでフランスからから泳いで行くというクルドの少年に泳ぎを教える水泳コーチの行動に感動して泣いたのだった。。。
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