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1 2009年 06月 18日
![]() 自分で歌って以来遠ざかっていた曲なんだけど、先日『マタイ受難曲』を歌ってからずっとヨハネが気になっていて、来年は絶対に聴こう!と思っていたら、すぐに聴けてしまった。。。 いつも不思議に思っていることなんだけど、どうして「聴きたい」と思うとすぐに聴ける機会が訪れるのだろう?ホントに不思議な現象。・・というか誰もが日常的に経験している当たり前のことなのかもしれないけど。。。 それはいいとして、旧東独の大学町グライフスヴァルトで毎年開催されるバッハウィーク Greifswalder Bachwocheは今年で63回目とのこと。 ![]() 夜はとても待ちきれずに30分も前に教会に到着。隣りの席のご婦人に話しかけたら、西ドイツに住んでいるそのご婦人は、息子さんがその教会の合唱団で歌っているので毎年のようにバッハウィークを訪れているとのこと。しかも息子さんは子供の頃ライプツィヒのトーマス教会合唱団で歌っていたそう!ご婦人も数年前まではずっと歌っていて、日常生活に音楽が欠かせないご家庭だったことなど話してくれて、めちゃめちゃ話がはずんだ。 教会が暗いせいか、あるいは視力が衰えているせいか、ご婦人は私のことを学生と勘違いしていたので、働いていると言うと驚いて年齢を聞かれた。ご婦人にも聞いてみたら「当ててみて」とおっしゃるので、80歳は超えてるかもと思ったけど、サバをよんで75歳と答えたら、なっなんと89歳!聞き間違いかと思って2回も「89歳??」と聞き直してしまった。ずっとお若く見えたのだ。 若さの秘訣を聞いたら、答えはズバリ「音楽」。そして「仕事」。やっぱりね〜、大切なのは音楽。 演奏が始まるまで他にも多くのことを聞かせてもらった。指揮者は2週間前に転んで右腕を骨折したそうで、ギブスをしたまま指揮していた!やっぱり情熱があれば骨折なんか克服することできるのね。右手人差し指の内出血で1日病欠した前科者のキリンに聞かせてやりたい話です。 ![]() 先日『マタイ受難曲』を歌ったときに強く感じたのはコラールは難しいということ。何が難しいかというと1拍目のタイミング。私は1拍目から迷うことなく躊躇せずに歌うけど、私のまわりには、1拍目は微妙に遅れて歌い始める人が多い。Pに言わせると早く出過ぎるよりは遅れるほうが安全だから・・だそうだけど、出だしがそろわないのは気持ち悪くて許せない。 素人なりの考えだと指揮者にも原因はあるのではないか?どの瞬間に歌い始めればいいのかを事前に明確に指示して、入るタイミングも練習させてくれたら良いのになぁ・・・と思うのだ。マタイはコラールが多いので、タイミングを迷うことが結構あった。私にとって初めての指揮者ということも原因だったのかもしれないけど。 というわけで今回ヨハネを聴いたときは、コラールの出だしが自然と気になって、やっぱり全員が同じタイミングで入るのはなかなか難しいのね・・・と思った。あの最後の最高に美しいコラールも出だしがあれれれ・・だったし・・。あ、でも別にあら探しが趣味ではなくて、演奏全体は本当に素晴らしくて感動した。 演奏が終わってから指揮者が指揮棒を下ろすまでが長かった。教会全体がシーンと静まり返って全員が息を呑んでいた感じ。あまりに長いこと指揮者が静止しているので、心臓マヒ起こしたんじゃないかと心配になったくらい。 個人的に一番感心のある合唱部分だけ比較すると、マタイよりヨハネのほうがずっと多様性があって歌い甲斐があるなぁとしみじみ思った。あぁ、死ぬ前にもう一度だけでいいから『ヨハネ受難曲』を歌いたいです。。 演奏後、できることならご婦人ともっと話したかったけど、とっくに10時は過ぎていたので、お互いの達者を祈りつつお別れした。すごく名残惜しかったけど。。。 かつて自分が練習していた頃、分身がBCJのDVDを貸してくれたので、毎日合わせて練習していた。その時に気になってしょうがなかった部分を発見した。2分50秒経過するところから注意してね。 バスの右から4番目の人が必死で楽譜をめくっている姿を見る度に「プロの人でもそんなことあるの?しかも曲が始まったばかりなのに??」ってすごく不思議でたまらなかったし、「映像を編集した人に悪意があったのか??」と疑ってもいた。あの部分は客席とかオケの映像にすることもできたのではないのだろうか・・・。 ▲
by rbhh
| 2009-06-18 07:33
| 音楽
2009年 06月 14日
![]() ヘンデル好きのPは毎年ヘンデルフェスティバルに行ってるらしく「興味あるなら一緒に来れば」と声を掛けてくれていたけど、興味のないことに義理でつきあう体質ではないのでこれまで断っていた。でも自分が歌う曲が演奏されるとなると別で、平日だったけど仕事を休んで初めて乗り込んだ。Pは別のオペラを観るそうで残念ながら一緒には行けなかった。 ちなみにヘンデル没後ぴったり250年だった4月14日には地元ラジオが当然のことながらヘンデル特集を組んで、『Acis & Galatea』もプログラムに入っていたので、合唱の練習の後あわてて帰宅して途中から聴いたらドイツ語だったのでがっかり。耳を覆いたくなった。オリジナルは英語(のはず)。 ![]() コーラスは少年合唱団だとは知らなかったのでびっくり。ソプラノのソロは2ヵ月前に歌った『マタイ受難曲』の時と同じアラレちゃん似の人だった!深みのある声が気に入っていたので、聴衆として聴くことができてうれしかった。 これまでコーラス部分しか聴いていなかったので、初めて全体を聴けて本当に良かった。極めて単細胞なので、自分が練習中の曲がこの世で一番美しいと思うくらい惚れてしまうのだが、実際に聴いてみてますますこの曲が好きになった。特にここの美しさに気絶しそうになった。古楽器の演奏が素敵でうっとり。リコーダーの音があんなに美しいものだったとは・・。聴き惚れました。本番が楽しみ〜。 コーラスの少年たちはというと、上手なんだけど完璧にうまくはないところに親しみを感じた。ソプラノ2が数小節脱落していた気がする。後ろの列を占めるバスの少年たちはみんなむさ苦しかった。ゲゲゲの鬼太郎の金髪版みたいな人もいた。あとソロが歌っていてコーラスの出番がない間、ずーっと隣りの少年の楽譜を覗き込んでいる人がいて、退屈なのでエロ本でも挟んであるんじゃないかと勘ぐってしまった。最後の曲は私はまだまだうまく歌えないので、まるで器械体操選手みたいに見事に歌う少年たちを尊敬した。 斜め後ろの人の携帯電話がたしか3回鳴っていて、すぐに止めないのでムカついた。どんな人かと演奏後にジロジロ見たら、ひょろひょろした、おじいさんの一歩手前くらいの人だった。 この曲の素晴らしさを表情豊かに書いてくださったNoraさんの記事に感動した。 ![]() なんと2列前に合唱仲間のJCがいてびっくり!彼も『Acis and Galatea』を聴いたそうで「少年たちがめちゃくちゃ可愛かった」と感激してた。JCは1週間ハレに滞在してヘンデル漬けの毎日を送る予定だと聞いてうらやましかった。年金生活者のJCは文字通り音楽三昧の毎日で、今日はロンドン、明日はチューリヒ、来週はパリなんてことはザラ。今回もハレの前に開催されていたゲッティンゲンGöttingenのヘンデルフェスティバルで6日間に12曲聴いて来たのだそう。音楽好きにとっては、夢のような生活をしている人です。 肝心の『メサイア』ですが、The Academy of Ancient Musicの演奏は見事だった。コーラスは各パート5人か6人ほど。アルトにひとり目立つ声の人がいて、かと言って常に目立っているわけではなかったので、風の向きによって聴こえ方が違うのか・・と思ったけど「ホール内に風は吹いてない」と自分で自分にツッコミを入れた。とにかくコーラスは素晴らしかった。私の場合コーラスで一番シビれるのはフーガなので、完璧にプログラムされたロボットが歌っているかのような速いテンポのLet us break their bonds asunderでは衝撃のあまり脳震盪を起こしそうになった。 ハレルヤが始まったときには立ち上がっている人がいた。なんでなのか理由がわからないので、私は座って聴いてたけど、両手で数えられる程度の聴衆がハレルヤの間は立ちっぱなしだった。何か意味あるんでしょうね、きっと。 指揮者がチェンバロ奏者を兼務していて、チェンバロを弾きながら頭をすごい勢いで揺さぶって指揮している迫力に最初はたじろいだけどやがて慣れた。私はふたつのことを同時進行ではできないので、私だったらどっちかが疎かになっちゃうだろうな・・などと余計なことを考えてしまった。 最後のアーメンはエイドリアン・シェリーの遺作で使われていたことを思い出して悲しい気持ちになった・・・。 ソロも良かったんだけど、アルトはこの時聴いたショルを超える演奏には一生出会うことはないだろうな・・と思った。ちなみにソプラノのソロは「ハレの海」なんていうしこ名がぴったりという体格だった。 ![]() ![]() ![]() おまけ。気絶しないでね☆ どうでもいいことだけど、ハレの市章がイスラムっぽいと思うのは私だけだろうか・・・。 ▲
by rbhh
| 2009-06-14 08:15
| 音楽
2009年 06月 10日
![]() 主役は『Night on Earth』のパリ編でタクシーの運転手だった人。カッコいいです。 この人が小さなカバンひとつで旅して回るロードムービー。各地を回って特徴ある人々に出会うという、前作の『Broken Flowers』と同じタイプ。 予告編でジョン・ハートが出ることは知っていたので、ものすごく楽しみにしていて、期待で胸をふくらませて映画館に駆けつけたのだが・・・、結果はというと、スクリーン上で彼には会えなかった・・・。くぅー。 観終わってから知ったんだけど、撮影はクリストファー・ドイル。航空会社の名前とか、主役の人のスーツとか、会話の内容とか細かいこだわりに感動していたもの、だんだんあのスローなテンポに付いて行けなくなった頃、どうも瞬間的に気を失っていたようなのだ。 なかなかジョン・ハートが出て来ないから、おかしいなぁ・・・と思い始めて、いやきっと最後の最後に登場するに違いない、まだまだ終わるはずはない、などと自分を励ましていたにもかかわらず、元タクシー運転手が任務を終えたような雰囲気になって、でも望みは最後まで捨てるな!と手に汗を握っていたにもかかわらず、画面が暗くなってエンドロールが始まった瞬間のショックだったこと!開いた口がぜんぜん閉じず、呆然として我を失った。 映画観てあんなに重い足取りで家路に着いたのは、生まれて初めてのこと。今もショックをひきづってる。 この作品には工藤夕貴とかティルダ・スウィントンとかガエル・ガルシア・ベルナルとかビル・マーレイとか次々と登場するのだが、それ以外にも「おぉ〜」という登場人物がいた。 元パリのタクシー運転手がまず最初に出会う人のひとりがAlex Descasという俳優。 この人はしばらく前に観たクレール・ドゥニ Claire Denis監督の『35 Rum(ドイツ語タイトル)』で、年頃の娘とふたり暮らしのお父さん役だった人。地味な映画だったけど、その昔『Before the rain』で初めて存在を知った、長い顔が印象的なGrégoire Colinが出ていたり、ドイツ資本が入っているせいか北ドイツの街リューベックが突然出て来たりでかなり気に入った。 お父さんは電車の運転士で、電車から見えるゆったりとした風景がほのぼのとしていて、侯孝賢の『恋恋風塵』とか『咖啡時光』がなつかしくなった。忘れられないのはお父さんがつぶやいた「すべてがここにあるんだから、よそで探すは必要はないんだ」というひと言。私なりの解釈だと「幸せは身近にあるのに、それに気づかずあちこち探し求めて自分を見失っている人はたくさんいる」。とっても良い映画だった。 で、『The Limits of Control』に戻って、最後のほうで元パリのタクシー運転手が乗る車の運転手がイスラエル人女優Hiam Abbassだった!この人、中年女優ではこの世で一番好きと断言してもいいくらい好き。 一番最近観たのはEran Riklis監督の『Lemon Tree』。何年か前に観た同じ監督の『The Syrian Bride』(日本では『シリアの花嫁』)にも出ていて、両方とも国境の持つ重み、それに振り回される人間の悲しみ、滑稽さが巧みに描かれた素晴しい作品で大好き。 あとつらくてたまらなかった『Paradise Now』とか、去年観てとっても気に入った『The Visitor』にも出ていた大活躍の女優。あのキリリとした表情がいいのです。 中年女優で突然思い出したけど、去年観た『トウキョウソナタ』で、私はたぶん初めて女優としての小泉今日子を観たはず。あんなにしっとりとした素敵な女優だとはまったく知らなかったので驚きました。 ・・・と無理矢理他の映画のことを考えていたら、少しだけショックがやわらいだ(気がする)。ま、もう一回観に行けばいいだけのことなのだが・・・。 ▲
by rbhh
| 2009-06-10 06:53
| 映画
2009年 06月 08日
日本映画の新作をいくつか観た。毎年楽しみにしている日本映画祭で。・・といいつつ、なぜか昨年は何も観なかったので、今年はその反動で(?)結構頑張った。
『純喫茶磯辺』 吉田惠輔監督 記念すべき第10回日本映画祭のオープニングを飾った作品。お父さんと娘、そして別れて暮らす母親の関係の描き方が良かった。その他の登場人物も実にユニークで笑った。知ってる俳優は北野作品で活躍のダンカンだけだったのは悲しかった。作家らしき人はオダギリジョーに違いないと思っていたけど違っていた模様・・。監督の温かい視線が感じられて、この作品すごく気に入った。「とりあえずビール」という言葉は日本では挨拶代わりなのだろうか? 開始直前にあこがれの草野洋介さんが入って来たのをめざとく見つけてボーッと見とれてたら、隣りのMから、呆れた冷ややかな視線を投げつけられた。もちろん気づかないフリしてかわした。 『クローンは故郷をめざす』 中嶋莞爾監督 ヴェンダースがエグゼクティブ・プロディューサーで、当日現れるということだったので観ることにしたんだけど、仕事が終わらなくて着いた時にはもう上映が始まってた・・。終わってからキョロキョロしたけど、ご本人は見当たらず・・。会場はガラガラ、かつ観客はいかにもオタクばかりで思わず目をそらした。 作品は苦手なタイプかと思って期待していなかったんだけど、これが良かった!こういうふうに比較するのは失礼だとは思うけど、タルコフスキーの世界が再現されていると思った。父親の不在、風景(ストーカーとか鏡を思い出した。)などに。詩的で素敵な作品だった。主役の人は仲村トオルだと思っていたんだけど、違っていた模様。目の感じとかそっくりだったんだけどな。 『愛のむきだし』 園子温監督 4時間近いのでどうしようか迷ったけど挑戦してみた。途中トイレ休憩が入ったけど、意外やあっという間だった。キリスト教と新興宗教とをコミカルに描いていてこれが実に面白かった。これの原作って漫画なのかな?知らないけど・・。高校生役の男と女をはじめとする登場人物の動きが漫画的だったのだ。盗撮の場面が特に素晴しくて笑いに笑った。女子高生役の人が深田恭子に似てたけど、たぶん別人。神父役は森本レオだと思ってたけどこれも違う人だったみたい。 この森本レオ似の人が食事の時に持ち上げたお椀の底に値札が貼り付いたままだった気がするんだけど、見間違いだろうか?確認したくてたまらない。 『クワイエットルームにようこそ』 松尾スズキ監督 題名からして明るくて楽しい映画だと思い込んでいたら、意外や女子専用精神科病棟での14日間を描いた作品だった。現代の名女優、蒼井優が出ていた!拒食症(だったはず)のド派手な人、最初は誰だかわからなかったんだけど、なんと大竹しのぶ。不老なのでびっくりした。個性豊かな患者たちに加えて看護婦や医者も面白いキャラがそろっていて、重いテーマなんだけどさりげない優しさを感じて気に入った。重症の拒食症役の人が演奏していたのはJ.S.バッハのイギリス組曲だったはず。看護婦役のひとりの芸名は「りょう」。これって野球のイチローの真似してるのだろうか?どっちが先に取り入れたのか知らないけど・・・。これ観た人はみんなそうじゃないかと思うけど、私もウィノナ・ライダーとアンジェリーナ・ジョリーが出てた『17歳のカルテ』を思い出してまた観たくなった。 『THE CODE/暗号』 林海象監督 昔から興味があったこの監督の作品をようやく観ることができた。めちゃくちゃ気に入った。探偵たちが個性豊かで、今回の主役は暗号を解く専門家。高貴な感じの人だと思っていたら、歌舞伎の人だった。その相手役が中国人の女の人で、やっぱり中国人はアグネス・チャンに似てるな・・と持っていたら、なっなんと日本人の女優が中国人に化けていたのでショック!上海駐在の探偵は『純喫茶磯辺』でしつこく「ボクは熊本の出身」と繰り返していた、アゴと舌足らずのしゃべり方にやたら特徴のある人だった。センスあふれる素晴しいエンターテイメント作品で、林監督の他の作品も是非とも観てみたいと切に思う。 『エンプティ・ブルー』 帆根川廣監督 映画祭実行委員の人の説明によると、ものすごく少人数で撮影したらしい。主役の男の人の雰囲気が知ってる人に似てた。現実なのか夢なのか途中でわからなくなりかけたけど、後半に謎解き的な展開になって良かった。左利き用のギターとか、プリンとか彼の優しさをさりげなく描いているところも気に入った。使われていた日本の音楽も映像に合っていて印象に残っている。 映画祭オープニングこそ9割以上は席埋まっていたんだけど、それ以外の上映はガラガラ。自分も含めてなんだけど、観客はいかにも映画オタクみたいな人ばかり。やっぱり日本映画を観ようなんていうドイツ人は少数派なのかもしれない。日本人もオープニングには総領事を初めたくさん見かけたけど、それ以外の作品ではゼロか片手で数えられる程度。なぜこんなに少ないの? ドイツ人観客は10代とか20代くらいの若者が主流って感じ。日本語教師をやってる円ちゃんによると、昔のドイツ人生徒は漫画とかアニメに興味がある人が多かったらしいんだけど、今はJポップファンが主流だそう。Jポップという言葉の意味を円ちゃんも私もわかってなくて、私なりの解釈だと日本で流行の歌謡曲とか演歌の今風の呼び名なんだけどそれでいいの? オープニングを含め何回か叫びを見かけた。叫びは頭のてっぺんから爪先までシネフィルの固まりって感じのドイツ人。いろいろな映画館で見かけるうちに、ムンクの有名な『叫び』の人にそっくりなので「叫び」と名付けた(本人は知らない)。叫びはあのムンクの作品のモデルになった人の子孫に違いないと私はにらんでいる。本当にそっくりなのだ。 叫びを映画館で見かけると、なんとなくいや〜な気分になる。何年も前に大島渚監督の『少年』を観たときは隣の席に座られたので、叫びに背中を向けるようにして思いっきり体を離した(・・といっても限界があったけど)。侯孝賢やマヤ・デレンの特集にも出没していた等々、叫びとの遭遇は何年たっても記憶に刻み込まれている。 叫びはいっつも黒っぽい服・・というかいつも同じ服着てる気がする。頭の中には映画のことしかないんだろうな・・、ああいう人は。 ▲
by rbhh
| 2009-06-08 07:53
| 映画
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